No.133 育む

 僕は以前、知的障害児をみてるのと並行して、高齢者の送迎や歩行介助などをしていました。

当時の望みは、早く障害児一本で仕事をしたいなぁ。でした。

高齢者とお話させていただくと、勉強になる事もありそれはそれで面白かったのですが

なんと言っても、障害児は育む楽しさがある。

高齢者などと決定的に違うのは、成長が手に取るようにわかるって事です。

まぁ、健常児が1回言って出来る事が、10回20回言ってやっと出来る

内容によっては、100回かも知れないけど、いくら時間がかかっても

出来るようになるって意味では、同じラインに立てますよね。

こどもにとっても、出来るようになる事は すごく嬉しい☆

時には、出来るようになった事が また出来なくなって後戻りしちゃう事もあるけど

一回出来た事は、最初より楽に出来るようになるし、並んだら次のラインに進めばいい。

理解してもらう為に、どうやったらいいか?をあれこれ考えるのは、こちらの腕の見せ所。

その子が会得するものが増えていくのって、非常にやりがいがあります。

 ですが、同じ移動支援事業者やデイサービス、作業所、グループホームなどの

対応を見ていると、おかしな対応の嵐。

Iさんと話してて、まさか障害児が成長しないと思ってる?って話にまで発展しました。

出来るようになる事を教えず、自分で出来る事にも手を出し、やっちゃいけない事を叱らない。

なるほど・・・・ 言っても伝わらないから、そういう病気だと思ってるのかな?

ぽぽろに居れば誰もが成長してるから、そんな事は思わないだろうけど

ただ安全にお預かりして、何事もなく終われば、次のラインなんてないのかも知れない。

すごく成長するはずなのに、何も進まないなんて

本当にもったいない時間を過ごしてる。

  そう言えば、僕も初めてみた自閉症児は、発語がなく喋れないものと思っていました。

しかし、何日かでその誤解はすぐに解けました。

喚く時は声が出る。 

だったら、音を組み合わせれば話せるじゃん!

そこからは、色々教えるのが楽しくて(^.^) 

ここでは音を出すだけの話にしますが

最終的に、舌を上あごにつけるラ行の音は、

スプーンを口に入れてやったりしたけど

どうしても出来ませんでした。

だけど、トイレの「ト、イ」は言えるようになり

(ラ行は×なのでレは言えない)

行きたい時じゃなくても、それを言ったらすぐにトイレに行かすようにしたりして

関連づけて覚えてもらい、最終的にトイレに行きたい時に「ト、イ」と言えるようになりました。

これなら、第三者の人が聞いても大抵は、トイレに連れてってもらえると思います。

日曜日以外毎日やってたから、発声だけに留まらず色んな事が出来るようになりました。

同じ方向性を持って毎日やる事が、どれだけの力になるか!

 大昔に人類は、相手に伝える為に言語を作り、文字を作って話す以外でも違う形でやりとりが出来るようになりました。

それまでは身振りで伝えてたのかな?

○○へ行きたい、□□が食べたい、△△がしたい。○○が出来た。

伝えられるようになったり、出来る事が増えたら、色んな可能性が広がっていきます。

時には悪い事も覚えたりするでしょうが、それは僕らだって同じ。

それをしたいのはわかるけど、しちゃいけないよと言う事も教えればいい。

今は、叱るとすぐに虐待と騒がれるから、叱りにくいのはわかるけど

何もわからない子達だと、殻に閉じ込めちゃう方が、虐待と感じます。

たくさんの事を覚えていく子達は、表情が豊かです。

意味がわからなくて怒ったり、考えてる苦悩の表情、1人で出来た時の喜びなどなど。

充実感があるから、遊ぶ時も楽しいんじゃないかな。

僕なんか、この歳になると新しい事を覚えてもすぐに忘れる(^_^;)

柔らかい頭で、早く吸収出来る子ども達が羨ましい。

子ども達が、今の時間を大切に使えるように!(願)

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